ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2014.12.25 04:58

クリスマスがどうのというよりも・・・

クリスマスよりも、ハロウィンのほうが盛り上がっていたな。
今年のハロウィンは、あちゃらこちゃらで人々が仮装して、
きちがい沙汰にはしゃいでいた。
山手線では、血まみれのゾンビが電車にのってきたし、
渋谷では、「だめよーだめだめ」の未亡人朱美ちゃんがいっぱい歩いていた。
新宿二丁目は、おかまのセーラームーンちゃんたちが羽ばたいていた。
二丁目では日常的な光景だが、日本にはこんなに仮装して街を練り歩き
たい人がいたのかと、
驚いてしまった。
それだけ、日常の自分からかけ離れたいという気持ちを持った人が多く、
ハマったということなのかもしれない。

それにくらべて、クリスマスはというと、なんということもないなー。
たしかにショーウインドーには特別な気合いが感じられないし、
街のクリスマス感よりも、木枯らしの寒さのほうが強く感じて、
コートの首元を抑え、足に地下鉄へ潜り込んでしまう。

ただ、私の住む中目黒は、局地的に異様に盛り上がっている。
目黒川沿いの桜並木が、超タイムリーな大量の青色LEDで
イルミネーションされており、これがテレビに取り上げられたり、
来場者が写真をネットに載せまくったりするものだから、
連日異常な人が集まっているのだ。
川にかかる橋には、カメラやスマホを掲げた人が集まって、
こぞって写真を撮りまくっている。
あまりにも人が集まり過ぎて、土日祝は中止になってしまった。
中目黒駅なんか、夕方5時を回ると混雑して電車に乗れない。
バイトに遅刻するのですごく大変だ。

クリスマスがどうのというよりも、
「ここに来れば、大勢の人が集まる物凄い人気スポットがあるよ!」
という宣伝の力に、人が動員されて、どどっと一か所に押し寄せて
いるという印象。

ただ・・・LEDの量はすごくて、たしかに写真映えもするのだが、
昔足をはこんだ神戸のルミナリエなんかと比べると、
デザイン的にも美的にも、
「そこそこ」って感じがする。
ルミナリエは、神戸復興と鎮魂の目的で、震災の起きたその年の
12月にはじめたイベントだから、
そもそもの目的意識と気合いの入り方が違うんだよな。
震災3年後のルミナリエに友人たちと足を運んだが、
電飾を飾りつける基板が、非常に繊細な幾何学模様に
デザインされており、
輝きが夜空に強調されていて、
あまりの美しさに、ずっとここにいたいなあと思い、
最後の公園で、じっと眺めていたことを覚えている。
その頃はスマホはなかったし、携帯にカメラ機能はなく、
デジカメも高価で持っていなかった。
肉眼で、一緒にいた友人たちと、その風景を楽しんだ。



泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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